インプラント治療とは？
（インプラントのメリット・デメリット）
インプラント治療とは、外科手術を行い失った歯の顎の骨に人体と親和性の高いチタンの人工歯根を埋め込み、その上にセラミックなどでつくった人工歯冠を装着する治療法です。日本に導入されてからすでに40年ほどの年月が経っているものの、これについては賛否あるといえるでしょう。
噛む力が自分の歯と同じくらい回復し、ほかの歯に負担をかけない点、審美性にも優れている点などのメリットがあり、歯を失った若い世代の方に好まれている治療法でしたが、そのメリットの有効性から現在は幅広い年齢層に広まっています。
一方、デメリットもいろいろあり、しっかりした継続的なメンテナンスが必須であることなど、将来的なリスクもちゃんと把握した上で治療を決断する必要があります。インプラント治療については、メリット・デメリットによる判断はもちろんのこと、実は患者さまの「体調やライフスタイルに適した治療法か」ということなども重要な決断基準だと知っておいてください。
インプラントのメリット
- 天然歯に近いレベルでしっかり噛むことができる。
- 入れ歯やブリッジのような健康な隣の歯への負担がない。
- 入れ歯のような取り外しが不要で、口の中の違和感がない。
- 見た目が自然で、天然歯のような美しい審美性が得られる。
- 入れ歯のように取り外して洗浄する必要がない。
インプラントのデメリット
- 麻酔下での口腔外科手術が必要である。
- 治療期間が長くなる。
- 顎の骨量や質によっては手術ができないこともある。
- アフターケア次第では、インプラント歯周炎になるリスクもある。
- 自由診療のため保険適用外。
- 1本インプラントを入れてしまうと、次に歯を失う都度にまたインプラントを入れてしまわないといけなくなるため、経済的な負担が増えていってしまう可能性がある。
インプラント治療を受ける前に考えてほしいこと
インプラント治療を受けられないケース
歯を失った患者さますべてにインプラント治療が可能なわけではありません。麻酔を行って口腔外科の手術を行うので、以下のような場合は治療ができない、あるいはできないリスクが高いといえます。
- 重度な糖尿病患者
- 血液をサラサラにする薬を服用している方
- 血液が止まりにくい方（脳梗塞などの疾患がある）
- 手術に支障があるほどの喫煙者
- 妊娠中の場合
さらに、顎の骨が小さい女性、重度の歯周病などで顎の骨がやせてしまった方なども、インプラント治療が困難、または骨造成などが必要なケースと診断される場合があります。
インプラント治療の説明時、または検査の際に、こうした健康状態について情報を得ることができますが、詳しくは患者さまからの申告を前提にお話をうかがうことになりますので、ご協力ください。
インプラント治療の注意点＝インプラントの必要ないお口を目指して
欠損歯（失った歯）の場所をあいたままにしておくと、隣の歯が徐々に倒れてくる、咬み合わせていた歯（上や下の歯）が伸びてくるなど、不都合な状態を招くことが考えられます。それを防ぐためにも、欠損歯の代わりに自分の歯の役割を果たすインプラント治療は優れた治療法といえます。
とはいえ、インプラントは万能な治療法ではありません。当院で、インプラント治療でいちばん注意すべきこととして声を大にしてお話ししているのは「メンテナンスの重要性」です。歯を失った原因によっては（ケアを怠ったために失ったのなら）、同じことを繰り返して、大切なインプラントまでも失わないためにも、手術で入れたら終わりではなく、術後のアフターケア＝メンテナンスが必須だと繰り返し説明します。
治療後は定期的にクリーニングに通っていただいて、プロフェッショナルのケアを受ける必要があります。自宅でのセルフケアもいままで以上に行うことが必要なので、徹底したブラッシングの指導などを行います。それができないと思われる患者さまは、インプラント治療を受ける前に、インプラント治療が自分に向いているかどうか、治療後のことなどもよく考えて相談していただきたいと思います。
インプラントという、ある意味で大がかりで後戻りできない治療を前提にするのではなく、むしろ歯を失う原因となる、むし歯や歯周病の予防をしっかり行いましょう。
費用と治療期間
| 費用 | 1本 330,000円 |
|---|---|
| 治療期間／治療回数 | 6ヶ月／6〜7回 |
※全て税込費用になります。